在宅中に地震が発生した場合
地震はいつどのタイミングで発生するか予測できません。
家にいる時、突然グラグラッと来たら、なによりまず落ち着くことです。 パニックに陥らないようにして、次の一手に移りましょう。
50:揺れたらまずするべきこと
震度6以上の地震にもなると、地震を察知したからと言ってすぐに安全な場所に避難する余裕などありません。激しく動揺して身動きできず、ただただ揺れに身を任せるしかないのが現実です。
それでもなんとか動ける場合は、家具が少ない部屋や家具の倒れてこない部屋に逃げるとか、机やテーブルの下に身を隠すといった行動を起こしましょう。
クッションや座布団、本などで頭を覆い、落下物にも備えます。
危険なのが、倒れてくる家具を支えようとする行為。これは無謀です。また、屋外に飛び出すのもNG。割れガラスを踏んだり、電柱が倒れて電線に触れて感電したりといった恐れがあるためです。在宅中に揺れている時は家からは出ない、これ鉄則です。
51:揺れが収まったら即するべきこと
揺れは数十秒から長くて数分続きます。一度揺れが治まっても再び揺れることも多々あります。
扉や窓が地震で変形して開かなくなることがありますので、一度揺れが治まったら窓などを開けて脱出路を確保しておきましょう。その際、床にガラスなどが割れ散っていると足を怪我してしまいますので、部屋の中であっても靴を履きましょう。靴はあらかじめ準備しておきます。
家の中に居る家族の安否確認をするのは言うまでもありません。
同様に火の元もチェック。特にガスコンロや暖房機器に注意して、元栓からスイッチオフできるならしておきます。
また大きな地震の場合は大体停電します。停電した場合は復旧時に漏電しないようにするために電気のブレーカーを切ります。あらかじめ感震ブレーカーやスイッチ断ボールを設置しておくと安心です。
52:続いてやるべきこと
身の安全と脱出路の確保と、火の元・電気の確認ができたら、次は水。飲料用ではなくトイレ用の水です。
一軒家で水道管が破損してしまえば、もう水は蛇口から出ません。ですので、まずキッチンや洗面所の蛇口をひねって水が出るかどうかの確認をします。水が出ればバケツで汲み置きます。
水が出ない場合は近所の公園などの水道が生きていればそれを利用しますが、まずは出るか出ないかの確認だけを済ませ、次の行程へ移りましょう。
続いて外出中の家族の安否確認。大地震後すぐなら電話もまだ通じる割合が高いですが、30分もすれば繋がりにくくなります。家族や近親者、会社などに手短に無事を伝えます。震源から遠い地域の人に電話する場合は、自身の無事の伝言をその人に頼むのも手です。
ズルズル長電話している猶予はありません。無事と重要な用件だけを伝えたら即切りましょう。
53:マンション住まいの場合
マンションに住んでいる場合でも基本は上記と同じです。
それでも水の確保については一軒家よりもマンションの方が有利になります。
水道管が破断していても、屋上のタンクにある程度の水が貯水されているからです。近所に気軽に水を汲みに行けない高層階ならばなおさら、初期段階で水を確保しておきます。
また地震発生によりエレベーター内に閉じ込められる恐れもあります。エレベーターが止まって、すぐに動き出しそうにない場合、それは近隣市町村全部のエレベーターが同じ状況かもしれません。
即時に救援が来る可能性は低くなります。1日、場合によっては1週間かかるおそれも考慮せねばなりません。
非常ボタンを押したら、あとはひたすら体力温存に努めましょう。外に人の気配を感じたら、大声をあげたりドアを叩いたりして助けを呼びます。複数人が乗車している場合は当番制にして、順番にドアを叩くようにしましょう。
なかなか難しいことではありますが、エレベーターを使用する際は普段からペットボトルの水・非常食やLEDライト、携帯トイレを持ち歩くようにすれば安心です。
どこに行くにもそのセットが入ったショルダーバッグを持ち歩くよう習慣づけておきます。たとえゴミ出しに行くだけであってもです。
言うまでもありませんが、地震後、安全が確認されるまでは避難や用事のためにエレベーターを使用してはいけません。