普段から台風に備える
大型で強い台風が来る予報がでたとき―――
ひと昔前なら窓に板を打ち付けて補強し、屋根に登って瓦が飛んで行かないようにチェックしたりするのが日常でした。
しかし昨今ではそのような光景は見られません。
それはかつてに比べて、家屋の耐震性向上に伴い風雨にも強くなっているから。とはいえ、かといって全く何もしなくても良い…ということではありません。
82:雨どいをチェック
雨どいは雨水が家の外壁と壁内に浸食するのを防ぐ大切なモノです。 雨どいが壊れていると、じわじわ雨水が壁の中に入り込み、柱や壁を腐らせてしまいます。
台風のような大雨時には雨どいを勢いよく水が流れますが、雨どいが詰まっていると、排水効果は大きく減少。場合によっては家屋への浸水の遠因にもなってしまうのです。
からっからに晴れた日が数日続いた頃を見計らって、雨どいのチェックと掃除をしておきましょう。
雨どいのチェックはハシゴを立て掛けて行います。立て掛ける場所は集水器のそば。集水器とは水平方向から集めた雨水を垂直に流す交差点の部分で、そこから垂直に竪樋(たてどい)が設置されています。
ハシゴを立て掛ける際は、雨どいの支持金具を避けて設置を。体重で支持金具が曲がるのを防ぐためです。
雨どいの中に落ち葉や泥がこびりついている場合は、木ベラなどでこそぎ落とします。
経年劣化による雨どいの破損や支持金具の腐食などがある場合は、屋根修理業者に頼んで修理をしてもらいましょう。
83:屋根とベランダ、テラスも確認
瓦屋根の場合、瓦が一枚でも外れていたらそこから雨水がどんどん侵入し、雨漏りしてしまいます。目視で結構ですので、地平から屋根をひととおり見ておきましょう。双眼鏡があれば便利。瓦のズレだけでなく、ひび割れチェックもできます。
またベランダやテラスの整理もしておきます。特に物干し竿や鉢植えはそのままにしておかず、竿は床面に置き、鉢植えは家内に取り込みましょう。物干し竿の洗濯バサミもそのままにしておくと風で飛んで行ったりしますので注意を。
84:窓ガラス対策を施す
雨戸は窓ガラスを台風から守ってくれますが、昨今の住宅ではマンションを中心に雨戸がないものが主流になっています。
風雨に吹きっ晒しになってしまう窓ガラス。ちょっと心配になりますよね。
実のところ、台風の強い風だけで窓ガラスが割れることは、ほとんどありません。風に飛ばされた小石などの飛来物が窓ガラスに当たってガラスが割れるのです。
おおよそ風速20m以上でそのおそれは急激に高まります。強風でモノが飛んで来ないようにすることは不可能ですから、結局のところ飛来物が窓ガラスに当たっても割れないようにする施策が必要になってきます。
実際風がびゅうびゅう雨がざあざあ降る中で窓ガラスが割れてしまったら目も当てられません。部屋に雨風が吹き込むわ、ガラスの破片が部屋の中に散乱するわ、とてもじゃないですが応急処置にも苦労します。
そこで窓ガラスの内側面に飛散防止フィルムを事前に貼っておきましょう。これを施しておけば万が一ガラスが割れても、フィルムが飛散を防いでくれますし、フィルムが雨風の侵入を防いでくれます。
飛散防止フィルムのオススメアイテム
85:他にもこんな準備を
雨戸がある場合は、雨戸の立て付けや滑りを確認しておきます。
また、庭の植木や家庭菜園の作物がなぎ倒されないように、支柱を設置して枝や蔓を紐で結わえておきましょう。
家屋内では、貴重品の管理も重要。1階部分が浸水するおそれを考えて、権利書・証券・貴重品などは2階へ移します。平屋の場合でも天井に近い収納場所へ移すなどの手を施しましょう。
台風だから水が余ることはあれど足りないことはないだろうなんて高を括ってもいけません。
水道管などの水道設備に被害が出ることも考え、浴槽いっぱいに水を溜めておく、飲み水も3日分は備蓄しておきます。備蓄に関しては地震などの災害と同様に考えてください。備蓄内容はこちらを参考に。