地震・台風災害対策100選/震災や水害時の準備・備蓄・避難情報まとめ

報道で目にする災害の避難所
避難生活の実態を知っておこう

 避難所での生活の概要

大地震や台風・水害で一時的に避難を余儀なくされる場合や、自宅が半壊、全壊した場合は、地区の避難所で過ごすことになります。避難所で健康的に安寧平穏に過ごすために心がけておくべきことを学ぶ前に、厳しい避難所での生活の現実をまとめました。

避難所
▲避難所(画像引用:愛川町)

 62:まず覚悟しておくこと

自由が利かず、物資もプライバシーもない避難所生活。それも緊急時ゆえに仕方がないことではあります。そんな状況下、どのように過ごせば精神的・肉体的にやり過ごせるのでしょうか。

いざという時に駆け込むことになる避難所とは、簡単に言えば地域の体育館や集会所などに住民が集まり、集団生活する場のこと。

体育館や集会所は本来スポーツや集会、寄り合いをするための施設です。それゆえ避難生活を長きにわたって快適に送るための設計や設備を施していません。夏は暑く冬は寒く、プライバシーもなく、ひとりあたりの占有面積もわずかなものです。

体育館
▲床が固くて冷たいのも覚悟で

避難から数日~数週間の間は、間仕切りもなく、周囲から丸見えの状況です。また周囲の人のいびきや照明のせいで寝付けないことも。

 63:こんな覚悟ももちろん必要

避難所の中の場所取りは先着順が多く、あとから避難してきた人や、トイレが近い高齢者は寒い廊下などで寝泊まりするケースも見受けられます。

食事は配給制ですが、避難から数日は1日1食の冷えたおにぎりだけということも。1日3食配給されるようになるのは1ヶ月以上先になったりします。

断水している場合、トイレは仮設のものが設置されますが、許容量をすぐに越えてしまうため、衛生上の問題が発生します。風呂もありません。

おにぎり
▲栄養を充分に摂れない食事をしばらく強いられます

 64:避難所で寒さをしのぐ

基本的に冷暖房完備の避難所はありません。たとえ冷暖房設備があっても停電で使えないことが多いのです。

着の身着のまま避難所を訪れた場合、特に冬場は寒さに耐え忍ばねばなりません。また、被災した自宅から毛布や衣類、暖房器具などを持ち込んでも、電気容量の問題や火災の危険性もあることから使用できない器具もあります。

援助物資として毛布などが支給されますが、当然それだけでは寒さはしのげません。新聞紙を素肌に巻く、重ね着をするなどで対策します。

新聞紙
▲新聞紙も防寒に使えます

 65:気温は病との戦い

冷え込む真冬、特に高齢者や病人は避難所で肺炎に罹患しやすくなります。毛布などはなるべく身体が弱い人から優先して渡されますが、周囲の人たちの協力も必要。暖を取ることができる場所は、高齢者や気温の変化・低温に弱い病人を優先しましょう。

逆に夏場は暑さとの戦い。冷房はおろか扇風機さえない状況の避難所は、熱がこもりがちです。真夏の体育館の暑さを想像するだけでげんなりしますが、その中でぎっしり住民が暮らすわけですから、高齢者や病弱な人には特に辛い環境。
また不衛生な環境下では伝染病などが起こる恐れも高まります。

夏の日射し
▲真夏の避難所は酷暑
精神と身体の健康維持