地震・台風災害対策100選/震災や水害時の準備・備蓄・避難情報まとめ

地震保険の仕組みを知って
必要かどうかを判断しよう

 続・地震保険のABC

地震保険のあらましを把握できたところで、続いては実際に支払う保険料と受け取る保険金について、もう少し細かく見ていきましょう。

印鑑

 95:支払われる保険金はどれくらい?

地震保険を契約中に地震や噴火・津波が発生して被災したときに、保険会社から支払われる保険金。
その金額は4つの損害区分によって決定されます。

4つの損害区分とは「全損」「大半損」「小半損」「一部損」。
2016年までは「全損」「半損」「一部損」の3区分でしたが、2017年1月から1区分増えて細分化されました。
「全損」とは以下の状況です。

  1. 主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が建築時価の50%以上に及んだとき
  2. 建物の焼失もしくは流失した部分の床面積が70%以上に及んだとき
  3. 被災した家財が時価の80%以上に及んだとき

全損に認定された場合、契約金額の100%が保険会社から支払われます。ただし前述したとおり、火災保険の保険金額50%を上限とし、さらに家屋は5,000万円、家財は1,000万円が限度額になります。


続いて「大半損」の条件。

  1. 主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が建築時価の40%以上50%未満に及んだとき
  2. 建物の焼失もしくは流失した部分の床面積が50%以上70%未満に及んだとき
  3. 被災した家財が時価の60%以上80%未満に及んだとき

大半損に認定された場合、契約金額の60%が保険会社から支払われます。限度額は時価の60%になります。


続いて「小半損」の条件。

  1. 主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が建築時価の20%以上40%未満に及んだとき
  2. 建物の焼失もしくは流失した部分の床面積が20%以上50%未満に及んだとき
  3. 被災した家財が時価の30%以上60%未満に及んだとき

大半損に認定された場合、契約金額の30%が保険会社から支払われます。限度額は時価の30%になります。


続いて「一部損」の条件。

  1. 主要構造部(土台、柱、壁、屋根等)の損害額が建築時価の3%以上20%未満に及んだとき
  2. 建物が床上浸水もしくは地盤面より45cmを超える浸水を受け、全損・大半損・小半損に至らない損害に及んだとき
  3. 被災した家財が時価の10%以上30%未満に及んだとき

一部損に認定された場合、契約金額の5%が保険会社から支払われます。限度額は時価の5%になります。

ちなみに損害が一部損に至らない場合や、門・塀・垣のみの損害の場合であったり、マンションにおけるエレベーター、給排水設備など、主要構造部以外のみの損害の場合は、保険金は支払われません。

紙幣

例えば2,000万円の火災保険に加入し、その50%の1,000万円の地震保険にも加入している人の家屋が、大半損に認定された場合、600万円が保険会社から支払われる計算になります。

 96:支払わなければならない保険料はどれくらい?

地震保険の保険料は契約条件が同じであるならば、どの保険会社で加入しても同額です。
しかし加入する条件によって金額に差が発生します。その条件とは建物の構造と建物がある場所です。

建物の構造については、主として鉄骨・コンクリート造の建物がイ構造、主として木造の建物がロ構造と二分されています 。
当然鉄骨・コンクリート造のほうが地震に強いので、イ構造のほうが保険料が安くなります。木造のロ構造だと、イ構造のおおむね1.5~2倍の金額になります。

そして建物がある場所ですが、これは都道府県によって金額が異なるということです。巨大地震リスクが高いと目されている東京都・神奈川県・静岡県などは金額が高くなります。

住宅地 

例えば東京都内の木造住宅に住んでいて、1,000万円の地震保険に加入している場合なら、年間の保険料は36,300円になります。これが福岡県の場合なら同条件で11,400円で済むので、地域差がかなりあるのです。
(※2017年1月以降に保険期間が始まる契約の場合)

ちなみに地震保険の保険料は2017年1月に全国平均で5.1%上がりました。その後も2回改定が行われ、最終的に通算で19%増となることが決定しています。
また損害区分も3区分から4区分へ細分化され、都道府県ごとの等地区分も改定されました。

地震保険に加入すべき?